碧水ホール ガムラン プロジェクト 2006 マルガサリ 楽舞劇[桃太郎]全5場通し公演
日時:2006年9月10日(日) 13:00開演(12:00開場)  場所:甲賀市碧水ホール
チケット:前売@2000 / 当日@2500 (学生前売@1000 / 当日@1500 / 小学生以下無料)

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 なぜ桃太郎なのかは、くどくどとここでは書きません。要約すれば、(1)ストーリーが非常にシンプルであること。シンプルであるがゆえに、様々な解釈の余地が残されている。(2)アジアに広がるラーマーヤナ神話や、モーツアルトのオペラ『魔笛』などとの共通性があり、海外でも素早くうけとめてもらえるのではないか。以上です。
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 その構想を抱きながら、徐々に準備に着手しました。1996年に大阪府青少年センター主催の2泊3日の研修「アートでリクリエーション」というイベントを企画したのですが、そのときにサウンドアーティストの鈴木昭男さん、ダンサーの和田淳子さんに講師をお願いし、50人の受講生とともに合宿状態で、桃太郎の演劇化に取り組みました。10人ずつのチームを5つ組織し、物語の各場面を分担してつくり、最後に全編をつなぎ合わせて上演したのですが、とても面白かった。場面が転換するごとに桃太郎役のキャラクターも変化し、この物語の容量の大きさを窺わせたのでした。何しろ、みんなが知っている筋ですから、つくりやすかった。私は『桃太郎』でいけることを確信したのでした。
 
momo06-3_6a.jpg  野村さんとは、その後『せみ』(2000)で再会しました。このときぐらいから、野村さんには楽譜を使わないで作曲することをお願いしました。つまり、口頭伝承というか口頭創作ですね。楽譜を視るという行為を省略して、できる限り、野村さんの感じていることを直接受け取る。その結果として、創作の方法をさらに変化させてゆく。作曲を作曲家まかせにしないで、応分の責任を演奏者も背負う。そういう考え方です。野村さんは私たちとともに即興演奏を繰り返しながら、音楽の種子を発見してゆきました。そして、その目の、いや耳のつけどころが、さすが天才的なのです。そして機も熟し、いよいよ2001年から野村さんとともに『桃太郎』をつくることにしました。
 
 第1場は2001年の5月から創作をスタートし、完成したのが9月。作り方がワークショップ的(将棋作曲の方法を導入)なので、時間がかかります。そして2002年に第2場をつくりました。ここでは具体的に、第2場以降の作り方を書きましょう。
 
 第2場の初演は8月4日(奈良市氷室神社)と決まっていました。逆算して4月から作り始めることを決定。第2場は桃太郎の成長してゆくありさまを描きます。農村の風景ですから、題材を「農作業」にしました。そこで思いついたのが、「お田植え神事」を核にすることです。奈良市での上演ということで、何か地域性を盛り込めないかと考えていた私は、奈良県全域に伝わる「お田植え神事」を思い出したのです。ちょうど1990年前後に私は奈良県の神社約60カ所において「お田植え神事」の調査をしていました。その全てをビデオで記録しました。それを見ながら構想を練ることにしました。また、お田植え神事が春の情景だとすれば、秋には収穫の祝いの風景が必要だ。そこで盆踊りを組み込みました。これもまた奈良県の十津川村の盆踊りの様式を取り入れました。そういう奈良色が第2場の基調となっています。しかし、それだけではちょっと弱い気がする。
 

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主催:甲賀市教育委員会 / 甲賀市碧水ホール
後援:インドネシア共和国総領事館 / (有)ナルナセバ
協力:ティルト・クンチョノ / ブルーウェイ(株)



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